地震

東北地方、関東地方を襲った大地震から5日目の朝です。

被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

私たちの仕事は、地震というものに対して建物の強度をいかに確保するかということを常日頃考えているのですが、テレビに映る悲惨な状況からは自然の力に対して全く無力であることを思い知らされています。どうか一人でも多くの命が助かることを祈るばかりです。

その日、私は野田市役所6階にある建築課の相談窓口を訪れていました。
経験したことのない大きな揺れで、書類は散乱し天井が剥がれて落ちたりしました。揺れがおさまり、周囲の担当者にまた相談に来る旨を伝えてから非常ベルの鳴る階段を駆け下りました。電話がつながらず、お腹の大きい妻や家族のことが心配でしたが、きっと皆で集まっているから大丈夫だろうと心を落ち着かせました。このような時2世帯住宅は安心で助かりました。車に乗りラジオをつけて東北地方で大きな地震が発生したことを知りました。

すぐに行動しなくてはいけないと思い、地震の翌日は設計を担当した建て主さんの家や、これまでに耐震診断のご相談を受けた家(ご年輩の方々も多く心配)、耐震補強工事を行った家などを訪問して廻りました。直接訪問できなかったお宅へは、電話やEメールでのやり取りでこれまで30件ほどほぼ全てのご家族の無事を確認することができました。幸い建物の被害もありませんでした。(いつも丈夫な家の設計を心掛けているため大丈夫!と願う気持ちの反面で、建物の崩壊が直接人命に関わることを過去の地震で学んでいるため、実際に無事を確認できるまでは心が震えていました。)

自分に出来ることは僅かですが、今は責任を持って仕事を続けることに専念するしかないと考えています。本日は千葉で上棟が行われます。地震のあった日の直後に予定していたのが数日延期されました。もっと落ち着くまで延期するかどうか、大工さんとも相談をしました。「休んでいては何も始まらないから」という言葉を聞いて私は延期することを諦めました。たしかにその通りなのかも知れません。十分注意して工事を行っていただきたいと思います。私も午後には現地へ行く予定です。(午前中は、周囲の液状化が深刻な海浜方面のお宅を訪問してきます)

それから、今週末に予定していたオープンハウスは建て主さんとも相談して
見学を楽しみにしている方々がいること、地震直後にもかかわらず現場を仕上げるために職人さんたちが頑張って下さっていること(ご実家が青森や岩手の職人さんもいて、まだ安否が確認できていないとのことなのに・・)から予定通り開催することになりました。

しかしながら交通機関がまだ乱れていますし、外出がご不安という方も多いと思いますので、どうか無理のない範囲でお願いします。おそらく少人数になりますので、家の耐震に関することや防災に関することなども、私の知る範囲で少しお話しができればと思っています。

それではまだ余震が続いていますので、皆さまくれぐれも気を付けてください。



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Commented by Takanashi at 2011-03-19 01:07 x
今回の地震では、被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。

丹羽様に於かれましては関係された建物が無事のようで何よりでした。今回の地震に関しては被害の多くは津波によるもののようですので、建物に関しては、国の規制、丹羽さんのような設計に携わる方の努力、まじめな日本の大工さんたちの作業により、地震の規模の割には被害は少なく多くの人の命を救ったのではないでしょうか。
今回の被害は、想定三陸沖地震ではM8前後と言われていたのにM9.0と実に約30倍もの規模で巨大津波を引き起こしてしまったことによります。自然を前にしての人の小ささを感じずにはいられません。
何時起きてもおかしくないと言われる東海地震も、南海・東南海地震と連動しM9に近い地震になるかもしれません。今回の震災により学び少しでも減災できると良いのですが。

最近上棟した畑のある家は都市ガスが来ていなかったためオール電化にしてしまいましたが、オール電化は原発の夜間の余剰電力を有効に使用するためのシステムですよね。今後日本の陸上では原発は新規設置や増設も難しくなることが予測されますので、オール電化にしたのは失敗のような気がしています。
Commented by sora-peso at 2011-03-19 22:23
Takanashiさん
本日は内覧会へお越しいただきまして
ありがとうございました。
今後どれほどの地震が発生するのか全く予測がつきませんが
おっしゃる通り、震災から学ぶことが大切になると思います。

オール電化の問題は、多くの人がこの震災であらためて考えさせられたと思います。私が担当させていただいたお宅でこれまでオール電化住宅にした事例は2件です。意外と少ない理由は、基本的にはオール電化はおすすめしてこなかった為です。(畑のある家では、都市ガスが来ていなかったことで決断されましたね。このような事例はとても多いと思います。今の段階であればまだプロパンガスへの変更など検討間に合います)

エネルギーの問題は今後ますます難しくなってきます。
災害への対策も大きな課題です。
今日は工務店さんで見学に来てくださった方と話していたのですが、今後家庭ではますます"太陽"のエネルギーを有効に使うことが求められていくでしょう。時には太陽の光を遮る工夫も(夏場など。屋根の軒や庇はやっぱり必要!)

建設資材の入手が難しくなっていますので工期に影響が出そうですが、上棟したばかりの畑のある家、良い家にしましょう!!
Commented by KatoJunko at 2011-03-20 13:49 x
スタジオのある家を建てていただいたKatoです。
今回の地震、我が地域はは震度5弱と東北や北関東で震災にあわれた方々に比べ、ほとんどといっていいほど被害がありませんでした。
とはいえ、ずいぶん揺れました。
我家は一階を音楽スタジオとし、分厚いコンクリでの建築となったためか、ガスすら止まらないという状況でした。
今回ほど、スタジオを建ててよかったと思ったことはありません(笑)。
(主人は毎日、よかったと思ってスタジオを楽しんでますが)
地震発生時には子どもを抱きながら、「うちは絶対大丈夫!」と唱えていました。

幕張に住む友人の家は、液状化現象で大変なことになっているようです。
まだ建ててから6年しか経っていないのに、家が傾き始めてきて、下水が止まってしまっているようです。
ガレージは浸水し、庭からは泥水が噴出し、傾きで門の鍵がかからなくなってしまったらしいです。
混乱により保険屋さんとも連絡がつかず、大変な思いをしています。
直せるのか、はたまた立て直さなければならないのか。
大きなお金がかかるだけに、毎日眠れぬ日々を送っているようです。
今後は埋め立て地域での建築も、いろいろ問題が生じてくるのでしょうね。
Commented by sora-peso at 2011-03-29 11:37
Katoさん、こんにちは。
電話で皆様ご無事との話を聞きほっとしました。
1階のスタジオ部分はとくに頑丈ですから、何かあった時に
逃げ込む場所としては最適かも知れませんね!

ご友人のお宅は心配・・・私も先日海浜方面の液状化の状況を実際に目にして、これほどのものかと驚きました。
知り合いの工務店さんの話では、地盤改良工事を行った家でも傾いてしまった事例まで出ているそうです。
被害の状況はこれからだんだん明らかになってくると思いますので、建築業界も様々な対応を今後行っていくことになると思います。

きっとお子さまも大きくなりましたよね。
まだ余震が続いていますので色々心配でしょう、
どうか気を付けてお過ごしくださいね!
by sora-peso | 2011-03-16 08:21 | ・お知らせ | Trackback | Comments(4)

自己紹介...丹羽 修(ニワオサム):『双子の家』の住人。NLデザインという設計事務所を営んでいます。このBlogは家づくりの様子、日々の仕事や生活の記録です。


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